3月29日 みなかみ町SDGs推進協議会向け研修実施

3月29日に群馬県みなかみ町で、みなかみ町SDGs推進協議会(以下協議会)が主催する研修に鮎川詢裕子代表理事が登壇しました。
同町は「SDGs未来都市」として全国に先がける形で2019年7月に選定され、2025年3月には「第3期みなかみ町SDGs未来都市計画」と、第3期SDGs未来都市計画~水と森林と人を育む みなかみプロジェクト2030~を発表しました。
このプロジェクトを推進するため、同町ではSDGsの普及啓発・推進を目的とする企業・団体・個人事業者からなるパートナー制度を設け、協議会はその運営支援を行っています。
今回のワークショップは、みなかみ町の今後の可能性について様々な視点、立場から多角的に話し合うことや、参加者の連携を深めるために開催されました。協議会メンバーとパートナー制度に登録している団体、みなかみユネスコエコパークの研修参加者など多様なバックボーンを持つメンバー9名が参加しました。
ワークショップでは講師の鮎川が、地球環境と持続可能性の現状から説き起こし、Regeneration[再生]の根本にある「あらゆる行動や決定の中心に生命を据えること」や、様々な社会問題が相互に繋がりあっていることを、理論で伝えるとともに体感を伴うプログラムも実施しました。
また、気候変動への対応には「緩和」と「適応」という二つのアプローチがあり、両輪として機能する必要があることや、各課題に対して個別に対処するだけでは不十分で、根本的な解決が必要であることが伝えられました。
プログラムの最後に参加者どうしで、みなかみ町のポテンシャルを活かしてできることを話し合い、コミュニティの形成や情報共有の重要性についても意見を交換しました。今後の活動についても具体的な提案が出され、実現していくこととなりました。


■参加者の声
・仲間がいるんだなというのをすごく感じました。こうして話していくと、自分の中からまだ見えてないものが出てきたりして、とても良い気づきの時間になりました。ワークショップで学んだ「Regeneration[再生]」をベースに、他に対して働きかけるのがいいのかなと思います。人は本当に生態系システムの一部なのだなと改めて理解しました。
・今回改めて「12のチェックリスト」を拝見し、そこまで深掘りしてやってこそ意味があることなのだと思いました。これからの自身の行動や判断は、チェックリストに照らし合わせながら考えてみたいです。また国内外にいろいろ発信をしていくことが、いい影響を与えることになるのではないかとも思いました。
・一番衝撃的だったのは25年後の世界を考えた時、その世界に生きていらっしゃるだろう世代から「子どもを産むことを躊躇する」「今とは違う生きにくい世界になるのか」といった言葉が出てきたことです。そういう世の中にならないようにするのは、私たち先輩の役割だと思うのです。だから、そこを何とかしたいと強く思いました。私にはいい経験でしたので、もう少しちゃんと落とし込んで、人に伝えられるようになりたいと思います。そしてまず周りの人にちょっとお話をしていきたいです。人が自然との触れ合い経験がなくなってきているので、そういう機会をみんなと一緒に設けることができたらいいなとも思っています
・多様なプレイヤーを集め続けることの大切さを改めて感じました。気候変動や、それがもたらすみなかみ町の変化が自分にはまったく関係ないと思っている人を、さらに巻き込む活動を続ければ、何かが変わっていくと思っています。今回参加させていただき、ここにいるみなさんと深くお話ししできたこと、お会いできたことが嬉しいです
・学校教育でSDGsを学んだ子どもたちと、学ぶ機会のなかった大人たちの間の理解にある大きな開きを痛感しています。知らない世代に向けての積極的な情報発信を今後していけたらと思いました。私の親世代(60代、70代)は、サスティナブルとはかけ離れた価値観で物を買ったりします。この活動を通じて、親世代を含め町が少しずつでも変わっていくことを願います。今日は同じ方向見ているメンバーがいるんだなということがわかっただけでも、大きな安心感を得ました。
・自然が本当に多い町なので、土や木の話しはとても実感しやすいため、25年後どうなっているかが想像できる人はこの町ならいっぱいいると思います。そういう方たちからも意見をいただいて、「最悪な事態にならないためにこういうことを始めてみませんか」という提案はしやすい地域だなと思いました。
・以前SDGsに関わる講座に参加した際に、並み居る大人の中で高校2年生のお嬢さんが最も素晴らしいお話を堂々とされたことがとても印象に残っています。一緒に参加した父親が、「娘がこんな思いを抱えていたために、学校の勉強が手につかなかったのか」とショックを受け、家族で持続可能な世界について話すようになったと後日お聞きしました。自分事として捉え、話し合っていく、やはりそういうところから始まっていきます。