FOOD|食
人類は誕生から200万年、長く食べ物を探し求めてきました。転機が訪れたのは大航海時代。探検家たちが発見した先住民の食べ物は世界中に広まり、多くの人々を日々の飢えから救いました。
そして現代社会には、複雑で洗練された食料システムができあがりました。世界の大半では、もはや食べ物を探し求める必要がなくなった代わりに、食料システムは地球温暖化、土壌流出、環境汚染や慢性疾患、森林破壊、海洋劣化や生態系破壊の原因にもなっており、それにも関わらず人々は美味しいものを食べることをやめられません。
しかし、破壊的な現状は、再生的な転換への大きなチャンスでもあります。食に関わる分野における気候変動への関与は3割にのぼります。食べ物の選択により、世界と体を健康にし、生命を育むのか、それとも生命を衰退に追い込むのかは私たち次第です。ここでは、地球上の生命をよりよくしていく再生的な方向を示していきます。
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🇯🇵 何も無駄にしない
人間のために生産された食料は、その40%が私たちの口に入ることなく捨てられています。食品ロスを8割減らす。それが、より少ない土地と資源でより多くの人に食を届けるための道筋です。
動物性タンパク質中心の食卓を、野菜たっぷりの食事で置き換えることは、気候危機を終わらせ、再生可能で回復力のある食料システムを構築できる最も効果的な方法のひとつです。
ローカル化は、地元の恵みを食べることです。身近で栽培されたものを食べることは、栄養価が高く、環境負荷の低い食品を分け隔てなくコミュニティと結びつけ、食料システムを変革する可能性につながります。
農業を生態系とみなし、さまざまな学問の視点で捉え直します。伝統的な農業を科学の知見や新技術と組み合わせることで、気候変動に負けない回復力を持った多様性のある農業を育て上げることを可能にします。
工業的農業は、水質汚染、土地の荒廃といった負の遺産を生み出し、大量の二酸化炭素を排出しています。自然を手本にした農業を始め直すことで、土地を回復しながら世界に食糧を供給できるようになります。
歴史の中で何世紀にもわたって、肥沃な土壌を維持しながら、農家の食料や収入を生み出してきた農業のあり方。作物の単一栽培と工業的牧畜を脱することで、生態系の健全性と、農業経済の多様性を回復します。
自然の生態系を真似て樹木、牧草地、家畜を意図的に組み合わせたもの。木は食糧や避難所を提供し、草木は炭素を隔離し、家畜は生態系の循環を助けます。荒廃した土地は回復し、収入源に変わります。
多くの食用作物と違って、多年生作物は、再植林をしなくても長年にわたって作物とさまざまな環境上の利点をもたらします。多様な多年生作物を農業に取り入れることで、長期的な生態系の健全性を維持します。
米は地球人口の半分にとっての主食です。しかし従来の稲作は、多量の水や化学肥料、その他の化学物質を必要とし、大量のメタンを排出してきました。植物、土壌、水の管理の変更による改善が必要です。
植物、食べ物など、焼却・埋め立てられてしまうことの多い有機物を分別し堆肥化することで、温室効果ガスの排出を削減できます。豊富な微生物と栄養素を含む堆肥は、土壌と植物に健康をもたらします。
植物、食べ物など、焼却・埋め立てられてしまうことの多い有機物を分別し堆肥化することで、温室効果ガスの排出を削減できます。豊富な微生物と栄養素を含む堆肥は、土壌と植物に健康をもたらします。
食料システムの中で、女性やその他の多様なジェンダーの人々が力を持つことは、現状の問題を打破し、不平等を是正し、生産力を上げ、災害時におけるコミュニティの回復力を高める可能性を秘めています。
メタンは、同量の二酸化炭素の84倍の温暖化を引き起こします。その主要な発生源の一つが牛やその他の家畜です。こうした家畜からのメタンを削減できるのが、カギケノリという藻の一種です。
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*日本版公開準備中のページは、グローバル版ネクサス(英語)のサイトへリンクしています。
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